フィードバックに対する予期が運動関連の脳活動に与える影響の評価

概要

運動麻痺患者に対する効果的なリハビリ手法を構築するために、運動に関わる神経基盤を明らかにすることが重要である。本研究では、リハビリにおいて重要とされる運動主体感という感覚に着目し、その感覚を構成する要素の1つである"フィードバックに対する予期"が運動関連の脳活動に与える影響を調べることを目的とした。聴覚刺激のタイミングを操作することによりフィードバックに対する予期が異なる課題条件からなる実験を設計し、それぞれの条件に取り組む間のEEGを記録した。実験で得られた脳波信号から運動準備電位を算出し、比較検証を行った。現時点ではサンプル数の不足により統計的に有意な差は見られなかった。予期が同一な条件においては運動とそれに対するフィードバックの間の関係が学習され、その結果が立ち上がりの遅れとして反映されると考えられ、被験者の拡充による追加実験が求められる。

収録
計測自動制御学会システム・情報部門学術講演会2016講演論文集, pp.336-339