本研究では,目的地に関する事前情報と矢印案内が丁字路における経路選択にどのような影響を与えるか実験によって明らかにし,その際の意思決定のモデル化を目的とする.左右どちらかの経路を選ぶため,二項ロジットモデルでモデル化することを考え,効用関数を設計した.経路選択に関して,目的地が不明で片方の経路の通行止め確率が分かっており,通行止めの方向を示す矢印案内が表示されている場合,被験者がマップを見て目的地を把握し,目的地の方向を示す矢印案内が表示されている場合の2 つの実験を行った.実験結果から効用関数のパラメータを同定し,モデルの評価を行うと,McFadden の疑似決定係数は0.300 で的中率は81.8%であり,作成したモデルの適合性が高いことが分かった.