人間と移動ロボットの共存

歩行者の移動には、環境歩行者自身の意図他者などが影響すると考えられます。これらの影響を考慮し、歩行者の移動を正確に予測することを目指しています。

環境情報を考慮した歩行者の移動予測

例えば直線的な廊下を歩くとき、人間は廊下の向きに沿っておおよそ直線的に歩きます。このように、人間は環境の形状に影響を受けて移動します。また、例えばオフィス内で歩くときは、周辺にどのような部屋があるのか、エレベーターはどこか、トイレはどこか、など、環境の意味にも大きく影響を受けます。したがって、歩行者の移動を正確に予測するためには、このような環境の情報を考慮することが重要です。
我々は、環境中に設置したセンサ情報を利用することによって、その環境における歩行者の移動特性を蓄積し、移動予測に用いるという手法を提案しています。

  • 田村雄介, 濱崎峻資, 山下淳, 淺間一: 環境に応じた人間の移動予測に基づく移動ロボットの人物回避, 日本機械学会論文集C編, Vol.79, No.799, pp.617-628, 2013. doi:10.1299/kikaic.79.617
  • Shunsuke Hamasaki, Yusuke Tamura, Atsushi Yamashita and Hajime Asama: Prediction of Human’s Movement for Collision Avoidance of Mobile Robot, Proceedings of the 2011 IEEE International Conference on Robotics and Biomimetics, pp.1633-1638, Phuket, Thailand, December 2011. doi:10.1109/ROBIO.2011.6181523

歩行者の意図を考慮したモデル化

人間は、周囲に存在する他者や環境の状況から、周辺他者を回避するか、追従するか、など意図を切り替えながら歩行していると考えられます。我々は、Social Force Model1 を拡張し、このような歩行意図の切り替えに応じたサブゴールを生成しながら動作生成を行うモデルを提案しています。

  • Yusuke Tamura, Phuoc Dai Le, Kentarou Hitomi, Naiwala P. Chandrasiri, Takashi Bando, Atsushi Yamashita and Hajime Asama: Development of Pedestrian Behavior Model Taking Account of Intention, Proceedings of the 2012 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems, pp.382-387, Vilamoura, Portugal, October 2012. doi:10.1109/IROS.2012.6385599

周辺他者との関係を考慮した歩行者の移動予測

歩行者は周囲の他者からの影響を受けて移動しますが、この影響の度合いは歩行者間の関係によって異なります。このような周辺他者とのインタラクションを機械学習の方法を使って学習し、歩行者の予測を行う手法を提案しています。

  • Jiaxu Wu, Hanwool Woo, Yusuke Tamura, Alessandro Moro, Stefano Massaroli, Atsushi Yamashita, and Hajime Asama: Pedestrian Trajectory Prediction Using BiRNN Encoder-Decoder Framework, Advanced Robotics, (in press). doi:10.1080/01691864.2019.1635910

  1. 歩行者を質点とみなし、環境、他者、目的地などから仮想的な力が働くことによって移動するというモデル (Helbing & Molnár, 1995)。